友引のお葬式
六曜というのがありますね。
「大安」とか「仏滅」など、カレンダーの日付の下に書いてあるやつです。
これは、元々中国から来た日の吉凶を決める占いの一種で、日本でも江戸時代には俗信として流行したそうです。
明治になり、暦が太陰暦から太陽暦に切り替えられる際、「吉凶付きの暦注は迷信である」として禁止されたそうです。
第二次大戦後、そうした統制がなくなり、再び暦や手帳に六曜を書き加えたものが出回るようになりました。
カレンダー会社によると、
「その方が売れたから」
という理由とのこと。
宗教的な見地から言えば、キリスト教会で結婚式を挙げるのに「大安」も「仏滅」も関係ありませんし、仏式のお葬式を「友引」に行っても何も問題はありません。
そもそも、そうした宗教とは無縁のジンクスだからです。
あるお坊さんが弟子にお灸をすえて貰おうとしたところ、吉凶に詳しい檀家さんから、
「今日は悪日だから、絶対お灸はすえない方がよろしいです」
と進言され、弟子にやめさせたという話があります。
その檀家が帰った後、再び弟子にお灸を頼み、
「今日は悪日だからお灸をやめるんじゃなかったのですか?」
と尋ねられ、
「大丈夫、悪日は今帰って行った」
つまり、吉凶というのはそれを頑なに信じる人にだけ存在するものなのです。
ちなみに、「友引」は元々「共引」と書き、
「勝負事をしても共に引き分けになる日」
という意味だったそうです。
いずれにせよ、お葬式とは無関係ですね。